より良い未来の実現に向けて
三優ライト工業らしさを詰め込んだ
新たな取り組み「Poco a poco」。
Project #03
「Poco a poco」 とは「少しずつ」という音楽用語。
そして三優ライト工業の社名にある
三つの「優」をコンセプトに
生まれた自社ブランド。
環境に優しく
心に優しく寄り添う
優れた製品をお届けしたい
誰もが優しくなれるような
楽しい体験を少しずつ積み重ねて
周りの環境も少しずつ良くしていく。
まるで音楽を奏でるように
より良い未来の実現に向けて動き出した
ひとつのプロジェクトストーリー。
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代表取締役
T.M
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開発営業部
A.K
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営業技術部
H.T
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製造部 業務課
M.M
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Poco a poco事業部
S.M
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Poco a poco事業部
F.J
Chapter 1
自分たちにもっとできることはないか。そして三優ライト工業らしさとは何か。新しい事業が動き出すと同時に自分たちを振り返る。そして、見つけた答えは。
誰もが優しくなれるような楽しい体験を少しずつ
企業としてこれから先を考えた時、自分たち独自の視点で自社商品を開発できればと思っていました。もちろん、三優ライト工業と言えば樹脂加工・樹脂成形業がコアなんですが、メーカーとして、ものづくりに挑戦してみたいということが始まりでした。
月に1回、社員全員が集まる朝礼で、自社製品をつくりたい。そして、翌年の10月に開催されるギフトショーに三優ライトの製品をひとつでもいいから出そうとみんなに伝えました。
その時はまだ何も決まってなかったんですけど。私一人では進まないと思ってました。
まずは軸となるブランドのコンセプトを決めようということになって、いろいろと話合いを重ねました。
当時、ずっとそのことばかりを相談してましたね。
そう。そしたら何気ない会話の中から、社名にちなんだ「三つの優しさ」を使いたいということになって「環境に優しい、心に優しく寄り添う、優れた製品をお届けする」がコンセプトとして決定しました。
その後、ブランド名もいろいろと議論をして、最終的に三優ライト工業のアイデンティティと「三つの優しさ」が表現できる「Poco a poco」に決定しました。
「Poco a poco」は音楽用語で「少しずつ」という意味なんですが、誰もが優しくなれるような楽しい体験を少しずつ積み重ねて、周りの環境も少しずつ良くしていきたいというメッセージをブランドの中心として製品化していこうと。三優ライト工業が目指すべきはこれだということで決まりました。
Chapter 2
Poco a pocoの「にじいろシリーズ」は、収穫された稲をお米にしていく過程で取り除かれる「もみ殻」を主原料とした知育玩具。これまでも様々な樹脂加工を専門的に行ってきたが、その製造過程も簡単なものではなかった。
もみ殻から感じた素材の優しさを表現したい
環境に優しいものを製品化しようと決めたのですが、どういう素材にするかは試行錯誤しました。
最初はひまし油や別の材料で試してみたりして、いろいろと検討している中で「もみ殻」が良いんじゃないかとなって試作品を作ってみたんです。
そしたら風合いも良く、手にしたときにも素材から優しさを感じることができて、「Poco a poco」の製品にぴったりだと。
ただ、「もみ殻」って実はすごくクセが強いんです。樹脂材料から見た場合にどう考えても「もみ殻」は不純物にしかならず、それを主材料として生産するのは経験上でも感覚的にも無理だと感じていました。
最初に既存の金型で試作品を作ってみたんですけど、もみ殻から発生するガスのようなもので金型はめちゃくちゃになるし、試作品も綺麗に仕上がらなくて。
私も30年近く様々な素材を扱ってきましたが、その中でも1、2を争うぐらい難しいと感じました。
でも、試行錯誤しているうちにコツが掴めてきて、大事なポイントを理解して作っていくことで、色も形も綺麗なものに仕上がるようになっていきました。
ペレットにする際にも、通常では線状にならなくてはならない所、もみ殻の場合はポロポロと途切れてしまいしまい、着色工程での量産性に問題がありました。
そうやって苦労してできた試作品だったんですが、もみ殻の風合いがそのまま見えてしまうので、社内でも少し意見が分かれました。
もみ殻の素材が、汚れのように感じてしまう人もいるんじゃないかって。
私はこのままでもいいかと思っていたんですけど、これは貴重な意見と考え、例えばカラフルな色を入れてみたら印象が変わるんじゃないかと思って。
それで実際に試してみたところ、最初はなかなか思い通りにならなかったんですが、粘り強く努力した結果、最終的には優しい色使いで、すごく良い感じに仕上げることができました。
ただ、このPoco a pocoならではの色を作るのも大変でした。複数の色を混練機に入れて、混ぜ合わせて色を作るんですけど。
実際に着色してもなかなか思うようにいかなくて。温度を上げると焼けてしまうのでもみ殻が茶色くなってしまって…。
色入れをお願いしていたコンパウンドメーカーからも「機械が茶色く染められてしまいました!」って言われてしまい、申し訳なかったなと思いましたけど、お陰様で良い色に仕上がりました。
そんな状況でなんとか12色を作って、その中から厳選して8色を製品化することができました。
12色も作れるなんて夢にも思っていませんでした。どれだけ頑張っても3色ぐらいかなと。そしたらT.Mが「いや、できるなら全色やろう!」って言って。「え、全色やるんですか!?」って思わず言ってしまいました。
せっかくやるなら、いろいろな色があったほうがおもしろいと思って。 そこからチョイスするほうが楽しいしね。
Chapter 3
特別な思いを込めたプロジェクトは試行錯誤のうえ製品化まで辿り着き、いよいよ発表のときを迎える。やれることはすべてやった。そう思っていたメンバー達に嬉しい知らせが届く。
「ギフトショー新製品大賞」の受賞の快進撃
紆余曲折を経てようやく製品が完成して、いざお披露目のタイミングで日本最大級の国際見本市「東京インターナショナル・ギフトショー」に参加することになりました。
これもまた手探りでした。最初はほんと右も左も分からなくて、ブースをどういう風に作ればいいのかも分からないし、分からないなりに調べながら、協力してくれる業者さんを見つけて、お手伝いしてもらうことになったんです。
このギフトショーにかける強い想いとこだわりを懸命に伝えたりして。
そうそう。結果それが良かったんです!
ロゴやパッケージもどんどんイメージしたものが出来上がってきて、すごく良い形になっていきました。その業者さんとは今でもお付き合いを継続していて、良い信頼関係を築けています。
そしてその結果、新製品大賞を受賞することができました。
そうです!
その後も、大阪府知事が府内の企業の中から、優れた技術と創造力あふれる製品を認定する「大阪製ブランド製品」でベストプロダクトをいただいたりもしました。
さらに、2023年には「GOOD TOY AWARD」も受賞することができたのですが、特にこの賞はおもちゃの専門家の方々がユーザー目線で評価して下さったことが非常に嬉しかったですね。
受賞したおもちゃは、東京おもちゃ美術館に展示してもらうことができます。系列の施設が他の場所にもあって、そこでも子供たちが「Poco a poco」の製品で遊んでくれたり、おもちゃコンサルタントの方が遊び方をレクチャーして下さったりするので、たくさんの方たちに触れていただけるきっかけになったと思います。
1年間展示していただけるので、私も行ってきましたが、大人が行っても1日楽しめる場所でしたよ。
そうなんですよ。昔のおもちゃも置いてあってそれこそベーゴマの変わり種とか!あと、からくり人形や最近流行っているものまで、幅広く展示されています。
場所も廃校になった教室を使って展示しているので、雰囲気も楽しめました。
あと、実は「GOOD TOY AWARD」よりも前に、フランスのパリで開催された「Maison et Objet」にも出展しました。
世界最大級のインテリア・デザインの見本市で、ヨーロッパを中心とした世界中の企業やブランドが集まります。
出展ブースもドイツにゆかりのある施工業者さんと、綿密な打ち合わせを重ねてPoco a pocoのおもちゃで楽しくあそぶ子供部屋をイメージしました。
その結果、フランスをはじめとした世界中の企業のバイヤーやデザイナーの方々がブースを訪れてくださり、デザインとコンセプトについても高い評価をいただきました。
Chapter 4
たくさんの思いを乗せて完成した「Poco a poco」。だが、まだプロジェクトは動き出したばかり。少しずつ、そして着実に成長させていきたい。メンバーたちが語るその未来は。
「Poco a poco」が目指すべき場所
これからもたくさんの商品開発を進めていきたいですし、「Poco a poco」だから買いたいって人たちを増やしていきたいと思っています。そのためには、やはり知名度を上げることも大事ですけど、この製品がどういう思いや考えで作られているのか。そこをしっかりと伝えたいし、実感してもらわないといけないと。
あと、やはり作る側の想いだけでなく、実際に使っていただける方々のことをもっと知ることがブランドづくりには必要だと思っています。知育玩具としてこれからも幼児向け、小学生向け、障害を持つ方々にも使ってもらえるように製品展開していきたいですね。
そうですね。あと、お子様向けのおもちゃではありますが、老若男女問わず愛されるおもちゃであってほしいなとも思います。
それこそ、いろいろな想いを乗せて生み出したブランドなので、形はいろいろ進化したとしても、ブランドの軸はぶらさずに、これから先の未来にも残っていってほしいなと思います。これは三優ライト工業として新しい1つのきっかけだと思いますので。
そしてやはり、たくさんの人に手に取っていただいて、愛される商品にしていきたいですよね。まずはブランドを立ち上げることができたので、いろいろアレンジしながら。
三優ライト工業として新たにチャレンジした事業なので、今後1つの柱として成り立っていく成功事例にもしていきたいです。
私はこれからも環境に優しくはもちろん、教育にも効果的に役立つ商品になってほしいなと思っています。
ブランドが長く続いていくためには、何かにつまずいた時に諦めないことだと思います。
そして、みんなに愛されるブランドにあるものはどんなことかと考えた時に、私は作り手の環境だと思うんです。
みんなで楽しく作ることで、自然とその雰囲気が商品に表れて気持ちが伝わるんじゃないかなと。
なので、今このチームで作っている製品は今後もずっと続くし、愛される商品になると確信しています。
そうですね。今後も100年企業を目指して、例えば社員の家族、息子さん、娘さん、孫も含めて、各世代に愛され続けてもらえるブランドでありたいなって思います。
100年!創業100周年のタイミングでどうなっているか楽しみです。
やはり、三優ライト工業は皆が居てくれてこそ。そのためにも、このブランドを多くの方に知っていただいて「Poco a poco」だから買いたいと思っていただけるように。
そして、これから先の未来にも存在し続けるブランドにしていきたい。
だからみんなで少しずつ、少しずつでも広めていって、どんどん新しい製品を届けていきたいなと思います。